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  トレーサビリティの基礎 2007/6/21
 

トレーサビリティは、トレース(Trace:跡)とアビリティ(Ability:能力)の2つの言葉が組み合わさっている。つまり、追跡する能力を有することを意味する。

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製造業における「トレーサビリティ」と一言で言っても、図1のように目的によってシステム設計をする上で考慮することが変わってくるし、使用するタグの種類も選択基準が変わってくる。<図2 参照>

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また、トレーサビリティを実施しているといっても、データを紙で管理しているのでは、トレースバック/トレースフォワード作業にかなりの時間を要する。対処が遅れれば、それだけ損害が大きくなる。
つまり、トレーサビリティ対処は、時間が勝負である。カイゼンは早い方が良い。<図3 参照>

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事故が起きてからどのような対処が発生するかとなると、
1) 事件調査(現場でしか分からない現象確認)そして応急処置(汚染領域の特定と処理)
2) 事件を起こした原因(犯人)捜し 原因(犯人)探しの手法は事実の裏づけを持つデータと「なぜ?」の繰り返し。<因果関係の見える化>
3) 原因(犯人)が見つかったら、犯人の再更生か、犯人の抹消。
4) 再発防止 再び犯人が出ないようにする :カイゼンがなされないものは、別のものに取り替えるか/使わないか <因果関係の組み換え/修正>というのが一般的であろう。

トレーサビリティには、電子タグを採用すると効果があると言うが、システム設計する時にはもっとタグに関する知識を深める必要がある。

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タグには、図4のように、バーコードと2次元コードと電子タグ各種があり、その種類と特徴は様々である。<表1〜4 参照>

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生産工程の各工程における作業を正確に行うことで、品質保証の基準が守られる生産方式においては、作業者が取り上げた部品が間違っていないかのポカミス対策として、ネジ1つ1つにμチップを取り付けることも思考としては考えられるがコスト面を考慮すると却下される。
では、ネジを取ったケースと作業者の手がある距離(隣のケースではないことが確認できる距離)になったら、それを記録するというやり方も考えられる。そこまで必要か?の話もある。
つまり、「何を目的にどこまでどのような手法でやるべきか」と「どのような手法ができるか」は、別問題である。

引き取りカンバンに電子タグを採用するケースがある。
図5のように、従来の引き取りカンバンに対して、RFIDと表示器を組み合わせて、生産工程管理Serverのデータベースの連携による電子カンバン方式も実用レベルに入っている。
電子カンバン方式ではカンバンの返却を無線通信で送り、指示伝達や情報の報告だけでなく、生産工程における中間在庫のシミュレーション機能付き生産管理システムによって、部品納入時間から、各工程進行時間調整や装置への部品投入タイミング調整を行うことも可能となる。

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図6のように、生産工程のラインで発生する様々な部品組立て情報や検査情報をMESサーバに取り込むことで、生産管理や品質管理や設備管理の部門スタッフが、ポータルな電子ドキュメントの環境で情報を扱えると、見える化はさらに相乗効果を生み出す段階へと成長していく。

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セル生産では、図7のように部品入荷、ピッキング作業や、組立て作業、検査、梱包、出荷、ロジスティックに至るまでの情報をMES Serverに取り込み、EDMS(Electronics Document Management System)の電子ドキュメントでは、生産管理情報から、MES情報から、SOP(Standard Operation Procedure)から、BOM(Bill of Material)に至るまで扱うことを可能にするのが、XMLの技術である。

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ERPを導入している企業においては、部品発注や製品納期、売上げ、利益、損益管理などは、ERPでできても、生産そのものの構造を管理することは、非常に高額の投資となり、しかも柔軟性を求められる生産では、現場まで採用することは向かない。

カイゼンによる成長を求められるものづくり現場においては、エンドユーザコンピューティングでポータルなMESとEDMSが求められる。
トレーサビリティにおいても、このエンドユーザコンピューティングでポータルな環境が、運用上、効果を出してくれる。<図8 参照>

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電子ドキュメントの構造化は、どう決めたら良いかとよく質問されるが、現場作業者が使用しているフォームで作られた電子ドキュメント(検査書、作業確認書、点検簿、作業日報、報告書など)をEDMSの各部門別のポータルサイトに放り込む。生産管理や品質管理や品質保証や設備管理の部門のポータルサイトからは、製造部門のポータルサイトの情報から欲しい情報を検索して、自部門のサイトで情報分析や各自のミッションをこなす為の電子ドキュメント上で扱うことができるようにする。<図9 参照>
つまり、タグを使ったトレーサビリティの導入だけでは、効果は出ない。電子ドキュメントの構造化を持たせたポータルなインフラ環境も一緒に導入することが重要であるというわけである。

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以上の話から、トレーサビリティを実現する上で考慮しなければならないことは、

1)何を管理し、何を見える化しなければならないか
2)そのターゲット(対象物)が持つ特性を見極める
3)構造的条件は?
4)時間/スピードの条件はどこまで求めるか?
5)システム的条件は?
6)取り扱うデータ量は?
7)データの流れは?(どう使うのか?)
8)人の絡みは?
9)価格条件は?
などであるが、システム設計した後に、すぐにシステムを構築することをしないで、スタートスモール(Start Small)いわゆる、パイロットラインで実際に確認するべきである。(仮説のままで済ませるな)
パイロットラインで何を確認するかと言うと、

1)目的に対する目標達成度
2)反応スピード
3)読み取り、書き込みスピードによる限界
4)周囲設備との関係、影響
5)評価(現場感覚で評価する)と判定
など、やることは多い。

さらに、注意しなければならない課題もある。

1) 設備、装置、製品の仕様区分
2) ラインを流れる製品や組立ての製品の電子タグと設備の電子タグがセンサーに反応する
<出荷してユーザに渡る製品と製造設備品の使用周波数帯やアンテナの長さで反応距離を使い分ける>
3) 製品と部品の電子タグ仕様区分
製品のタグ情報を採ったつもりが部品のタグだった。
<分類情報をタグ情報のフォーマットに取り入れる>
4) 製品と製品の距離が縮まらない
センサーに反応する情報が複数になる。
<ターゲット範囲を絞れるセンサー構造>
5) 周囲の素材環境
金属板で囲うと反響する。
<反響しない素材・遮断素材を使用>

などがそうである。

評価項目は、生産システム全体での生産能力を考慮することになるが、品質目標をクリアすることと生産能力目標は、両立させなければならない。

両立させるためにどうしたら良いかを考えることが重要である 。
 
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